柔軟にサイトを作り上げるには、インストール型のCMSでコンテンツを管理するのが最適。


柔軟にサイトを作り上げるには、インストール型のCMSでコンテンツを管理するのが最適。

オンラインサービスは安価で簡単に使えて大変便利だが、そのサービスに用意された機能しか利用できないという弱点がある。特にCMSの仕組みに慣れてくると「あれもやりたい」「ここをこうしたい」といった要望が出てくるものだ。

それだけではない。事業規模が大きかったりある程度の量のコンテンツを取り扱う時には、自社内のWebサーバにインストールするタイプのCMSを導入した方がコンテンツのハンドリングがしやすいだろう。コンテンツの公開時に担当者による内容チェックなど、承認フローが必要な場合は、そのような機能をもったCMSを導入することも考えたい。

インストール型のCMSはそれ自体がソフトウェアであるため、オープンソースで開発・公開され無償で利用可能なものから、ソフトウェアベンダーが開発・販売している有償のソフトウェアまで多種多様に存在している。オープンソース系の無償のCMSだから品質が劣るといったことはないが、その運用やトラブル対応に関しては自己責任でおこなわなければならない。もし、CMSの運用の面に不安を感じるようであれば、有償のCMSを導入し販売会社から提供されるサポートを受ける方が安心できることもあるはずだ。

現在、世界中でよく利用され日本でも人気の「WordPress」というCMSオープンソースで開発されており無償で利用可能である。しかし、インストールや設置といった初期構築を自社でおこなうことができなければ、その部分の作業は制作会社などに依頼することになる。あくまでも無償なのはソフトウェアの対価であり、インストールや設置を依頼する場合はそれなりの費用がかかると考えておきたい。
有償で販売されているCMSもまた実に多種多様だ。小規模のサイトから大規模のサイトまで幅広く運用できるもの、多言語対応やコンテンツの公開にいたる編集権限や承認の仕組み機能などを標準装備しコンテンツ管理にフォーカスしたものなど、数万円から始められるものから数百万〜数千万円になるものまである。有償のCMSは、その機能などに応じて初期導入時のコストは異なってくる。

インストール型のCMSの中にはユニークなものもある。一般的にCMSというとWebサイト全体を管理するものと考えられがちだが、冒頭でも触れたように更新対象は実際にはサイトの一部だけということも考えられる。たとえば、「a-blog cms」は既存のWebコンテンツをそのまま流用して一部分だけをCMS化することが可能だ。仕組みは異なるが、「Perch」のようにWebサイトの一部分だけにCMSを追加するマイクロCMSと呼ばれるものもある。

CMSの導入時には、高額な費用を払って導入したものの身の丈にあわない、多機能すぎて使いづらいといった話もよく耳にする。まずはその目的をしっかり考え、それにあわせて最適なCMSを選択した方が良い。「○○というCMSが流行っているから」といった理由ではなく、制作会社に依頼する際は「こういうことをしたいから」という目的を伝えるようにしよう。